2003ヴィンテージは初めてランコーレを造った年です。
冬に雨が多く降ったおかげで春から夏にかけての猛暑でも水不足になることなく健康に葡萄は成熟しました。
レンガがかったルビー。煮詰めた黒色果実の甘い香りや紅茶や腐葉土などの熟成香に加え、シナモンなどのスパイス、乾いたハーブの香りも。タンニンは熟れて非常に滑らかな質感。
優しい酸やさらさらとしたミネラル感と共に柔らかい果実味が広がります。
かつてアンティノリの栽培を全て任され、その後世界中をコンサルタントとして飛び回る栽培・醸造コンサルタントがアンドレア・パオレッティ。
アンドレア・パオレッティはアンティノリの栽培家から1995年にフリーに転身し、現在はオルネライア、イゾレ・エ・オレーナ、カイアロッサなど、トスカーナのトップワイナリーを始めとする、数々のワイナリーにてコンサルタントを行っております。
サンジョヴェーゼを扱う世界No.1のワインメーカーとも称されるアンドレア・パオレッティが、年間たった3584本のみしか造らないというだけでもそれなりのインパクトがある事に加えて、エチケットのデザイン、そしてワインの名前も強烈なインパクトがあります。
エチケットの中央にはノルウェー出身のエドヴァルド・ムンクの代表作「叫び」が・・・。
そしてワイン名のRANCORE(ランコーレ)とは怨みです。
『何故このデザイン。そして名前?』
それは過剰な抽出や強い樽香を好む一部の生産者へのメッセージではないでしょうか?
葡萄やテロワールの個性を発揮してもらえず世に送り出されたサンジョヴェーゼの怨みであり、本来の魅力を発揮できなかったサンジョヴェーゼの叫びなのではないでしょうか?
ワインの味わいはラベルや名前とは裏腹に『さすがイタリアで一番の栽培・醸造家』と頷けるワインに仕上がっております。
「丁寧に栽培され、葡萄のポテンシャルに合わせた絶妙な樽使い」サンジョヴェーゼの魅力が思う存分に楽しめる、名前やラベルのイメージからは程遠い、幸せな気分にさせてくれます。
ダニエル・トマセスがイタリアの代表的経済紙「IlSole-24Ore紙」のウェブ・サイトにて
ランコーレを以下のように紹介しております。
掲載文章抜粋[タイトル-パオレッティの5000本]
イタリアで一番腕の良い醸造・栽培家の一人のアンドレア・パオレッティ。80年代の後半にフィレンツェ大学を卒業した若いパオレッティはシャトー・ラフィット・ロートシルトなどで研修を経て、30歳になる前にはアンティノリの全栽培責任者になった。
パオレッティには輝かしい経歴があるが、彼自身はコンサルタントの仕事だけでは満足していないようだ。
恐らくコンサルタントとしてでは100%自分の哲学をワインに表現できないから自分自身のワインが必要だと感じたのだろう。
パオレッティはフィレンツェの南に自分で植えた葡萄から「ランコーレ」を産み出した。
サンジョヴェーゼに関する知識に世界で最も長けているのは、パオレッティかもしれない。
年産はたったの5000本。皆さんはモダンなテクノロジーとテロワールに対するパオレッティの情熱の融合を感じる事ができるだろう。
ワイン名 | Andrea Paoletti. |
産国 | イタリア、トスカーナ州 |
産地呼称 | トスカーナDOCG |
生産者 | アンドレア・パオレッティ |
品種 | サンジョヴェーゼ・グロッソ75%、メルロ20%、ピノ・ネッロ5% |
平均樹齢 | 20年以上 |
収穫 | 2003年(ファーストヴィンテージ)。手作業で完熟して房のみを選別しながらの収穫 |
醸造 | 醗酵は前後の醸しを併せて20~28日間30℃の定温にて。熟成 :はフレンチオークの1年使用トノー(300l)にて12ヶ月熟成後、瓶熟12ヶ月 |
アルコール度 | 14.5% |
容量 | 750ml |
2003生産量 | 3,584本 |
タイプ | 赤ワイン、フルボディ |
サービス | 16℃~19℃。 now ~ 2040 |
保存方法 | 保存する場合は紫外線を避け、冷暗所に。 |
評価 |
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